どこ見てんだ

「君は何で上ばかり見てるの? 上を見ても、何にもないでしょ」

「いいや、上を見れば空が見えるよ。雲もあれば太陽もある。夜なら月や星も見える」

「まあ、そうだろうけど、そんなもの見てもしかたないじゃない」

「そんなことないよ、俺は空を見れば、夢や希望に向かって突き進める気がするんだ。特に真っ赤に燃える太陽は、希望と勇気を与えてくれる気がする」

「ふーん、そんなものかな」

「お前こそ、下ばかり見てるけど、ゴミや吸殻ばかり見つけるだけで、意味ないだろ」

「そんなことないよ。地面が濡れていたり段差があっても気付くから、すべったり、転んだりしなくてすむよ」

「ふーん、意味ない気がするけどな」

「足元がしっかりしてないといけないんだよ。地に足をつけろって言われるだろ」

「でも、楽しくなさそうだし」

「たまにお金を見つけるよ」

「それは、嬉しいかも、でも、夢や希望は感じないな。俺は上ぱかり見る方が幸せになれると思う」

「そうかな、僕は下ばかり見た方がいいと思うけどな」

『ドーン!』

「危ねえな、気を付けろ、どこ見て歩いてんだ」

「上ばかりです」

「下ばかりです」

 


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