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超短編小説 コートとセーターとスカートの会話、そこにハイヒールが加わる

テレビから流れる天気予報

今日は、西高東低の気圧配置で、この冬一番の冷え込みになります。都心部でもホワイトクリスマスになるかもしれません。暖かくしてお出掛けください。

母「今日は冷え込むみたいよ。サキは今日、どうするの」

サキ「これからちょっと出掛けるわ」

母「そうなの、今日は寒いから家でおとなしくしてたらいいのに」

サキ「クリスマスだよ、家にいるのは、もったいないよ」

母「家で過ごすクリスマスも良いと思うけど。サキがいたら、お父さん喜ぶのに」

サキ「いいのいいの、お父さんはお正月に付き合ってあげるから。じゃあ、いってきます。母さん、今日、晩御飯はいらないね」

母「わかった、マサト君とデートなのね、気を付けていってらっしゃい」

サキ「はーい、いってきまーす」

ガチャガチャ

カツカツカツカツ、コンコンコンコン

 


 

コート「今日、めちゃくちゃ寒いな。サキちゃんよ、こんな日は、お母さんの言う通りに出掛けんと、おとなしく家で過ごそうや」

セーター「コートさん、あなたが活躍出来るのは、今日みたいな日しかないじゃないですか。今日くらいは活躍して下さいよ」

コート「なんや、ちょっとムカつくな。普段、俺が活躍してないような言い方やないかい」

セーター「だって、そうじゃないですか。いつもは、サキさんに抱えられてることが多くて仕事してないじゃないですか。そんな時でも私はサキさんが寒くならないように頑張って仕事していたんですから」

コート「俺がサキさんに抱えられている時、サボってると思てるんか。心外やわ~。君らが役立たずやから、待機してるんやないかい。君らがしっかりしてくれてたら、俺も休めるんやけど、ちょっと冷え込んだら、ホンマ君ら全く役立たずやで、自覚してや」

セーター「役立たずは言い過ぎ違いますか。コートさんこそ、しっかりして下さいよ。今も寒気が私のところまで、ドンドン入ってきてますよ。しっかりガードしておいて下さいよ」

ヒュ~ルゥ~、ヒュ~ルゥ~

サキ「あー寒い、寒い、フーゥ」

コート「何、言うてんねん。俺はしっかりガードしてるわ。セーター、お前がしっかり保温出来てないだけやろ」

セーター「私はしっかり保温もしてますし、寒気もガードしているつもりです」

コート「してるつもりやと、ホンマつもりだけやな。お前らは俺と違って今日みたいな寒風にさらされることもないから、甘えもひどいもんやな」

セーター「コートさん、偉そうに言い過ぎですよ。あなたは出番が少ないから、楽じゃないですか。私は秋からずっとサキさんを守っているんです。サキさんも私のことを信頼してくれてますよ」

コート「セーター、お前の代わりなんか、なんぼでもおるんやで。そっちこそ偉そうにしとったら痛い目みるで」

セーター「これからコートさんと一緒になるのは嫌です。サキさんにお願いしよう」

コート「勝手にしろや、セーターも酷いけどスカートよ、何で今日お前が出てくるんや。今日は絶対パンツやろ。サキちゃんの下半身、冷やしすぎやで」

スカート「そうよね、あたしも今日は出番ないなと思って油断してたんだけどさぁ、サキさんのご指名なんだよねぇ、何とか頑張ってんだけど、パンツ君ほど役に立ってないよねぇ」

セーター「私がサキさんの体を一生懸命暖めても、下半身から冷やされると、こっちの負担が大きいんだけど」

スカート「ごめんね、皆さんに迷惑かけてるのは、わかってたんだけど」

カツカツカツカツ、コンコンコンコン

ハイヒール「あなた達、もう少し仲良くしましょうよ。スカートさんも一生懸命なんだから、あまりイジメないでよ」

コート「そう言うハイヒールも、何で今日出てくるんや、役立たんやろ。足手まといやで」

ハイヒール「ごめんなさいね、場違いかなと思ったんだけど、私もサキさんのご指名なの。あっ、冷たーい」

路面が凍っていて、ハイヒールには厳しい。

ハイヒール「コートさんもセーターさんもスカートさんも大変だと思うけど、気付いてないようだけど、下着さんもサキさんの汗を吸いながら、体温を維持するのに、黙々と頑張ってくれているのよ。だから、みんな各々に頑張ってるんだから、サキさんの為に協力しあいましょうよ。あっ、又、冷たーい」

水溜まりでハイヒールが濡れた。

ハイヒールの言葉でみんなが変わり始めた。そして、黙々と仕事する下着や水溜まりで濡れて凍えそうになったハイヒールを見て、自分達の主張ばかりしている愚かさに気付いた。

 

セーター「そうですね、私たちが協力しないとサキさんに迷惑かかってしまいますから」

ハイヒール「そうよ、みんなでサキさんを助けてあげましょうよ。今日、サキさんに選ばれたメンバーなんだから協力しあいましょう」

セーター「私は自分だけが辛いことしてると思ってしまってました。皆さんに各々の役割があり頑張ってるわけですから、そこを理解しないといけませんね。コートさんスミマセンでした。一番厳しい寒さをまともに受けてくれているわけですから、私達は助かっています。下着さんは汗を吸って体温を維持してくれてるので有り難いです」

コート「こっちこそ言い過ぎた。申し訳ない。そうやな、みんなで協力せんことにはサキちゃんの役にたつこと出来ひんわな。セーターよ、仲直りしてお互い頑張ろうや。寒気は俺がガードしておくから、少し楽にしといてや」

セーター「コートさん、今日は特に寒さがキツいのに、有難うございます」

コート「かまへんで、俺よりハイヒールの方がキツいと思うで。路面が凍ってるし、水溜まりもあるし、ハイヒール大丈夫か」

ハイヒール「何とか大丈夫、もうすぐサキさんがマサトさんと会って、その後はマサトさんの車だから、そこからは楽になると思うわ。コートさんお気遣い有難う」

セーター「ハイヒールさん、ホント大変ですね。車ではゆっくり暖まって下さい。コートさんも車では、ゆっくり休憩しておいて下さいね。サキさん今日は1日デートでしょうから日が暮れてから、コートさんに助けてもらわないと、私達だけではサキさんに風邪を引かせてしまいます」

コート「セーター有難うな。車では休憩させてもらうわな。その間、セーター頑張ってな。帰りは、ガッチリ寒気ガードするわ」

スカート「みんな仲良くなってよかったね。出来たらみんなで休憩したいね」

ハイヒール「みんなで休憩するためには、サキさんとマサトさんがデートで盛り上がることが必要ね」

スカート「サキさんとマサトさんが盛り上がれば、みんなで休憩出来るの」

ハイヒール「そうよ」

スカート「黙々と頑張ってくれてる下着さんも休憩出来るの」

ハイヒール「そうね、マサトさんの口説き次第かな。サキさんの今日の下着は、ご指名だったから、チャンスは十分あると思う。下着さん、そうよね、あなたたち今日は、サキさんに勝負用として指名されたのよね」

下着達「ハイ」

コート「いいね、いいね、俺はその時、のぞきに行くわ」

ハイヒール「ダメよ、みんなで休憩しましょ。仲良くね」

 


 

サキ「マサト、お待たせ、寒いね」

マサト「おぅ、サキ、今日は特におしゃれで綺麗だよ。サキがこんな綺麗だと、俺今日は、めちゃくちゃ張り切っちゃうよ」

 


 

ハイヒール「今日はみんなで休憩出来そうな予感」

セーター「そうですね、スカートさんとハイヒールさんのおかげですね。マサトさんに気に入られてるみたいです」